研究生活の備忘録です。http://satcy.ninja-web.net


by stakahashi17

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
論文紹介
研究状況
イベント
所感
未分類

以前の記事

2017年 06月
2016年 09月
2016年 03月
2016年 02月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2010年 11月
2010年 10月

フォロー中のブログ

Life is Beau...

メモ帳

最新のトラックバック

venuscozy.com
from venuscozy.com
http://while..
from http://whileli..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..

ライフログ

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

最新の記事

晴れ男確定でお願いします.
at 2017-06-06 22:43
三畳紀系の論文8-9月
at 2016-09-18 19:29
論文リスト_2016年_3月
at 2016-03-31 17:04
今年もよろしくお願い致します。
at 2016-02-06 16:30
ハイブリッドレインボウ
at 2015-11-04 19:04

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

科学

画像一覧

ペルム紀大量絶滅直前に無酸素海洋の拡大は急速に起きた?(ウラン安定同位体比の証拠から)

Rapid expansion of oceanic anoxia immediately before the end-Permian mass extinction
Gregory A. Brennecka et al., 2011 PNAS
約2億5千万年前に起きた史上最大の大量絶滅、ペルム紀末大量滅事変は、その当時海洋が溶存酸素に乏しい状態であったことが地質学的証拠から明らかになってきました。さらには、大量絶滅発生時の浅海陸棚では硫化水素に富む無酸素水塊が広がっていたことを示す嫌気性光合成細菌が増殖していたことも分子化石の証拠から明らかになってきています。今回紹介する研究では、浅海域陸棚で堆積したペルム紀/三畳紀境界部の層序に記録されたウランの同位体比値の変動曲線を示し、大量絶滅期の海洋溶存酸素環境を議論しています。

 Brenneckaらの研究グループは南中国 Dawen sectionで得られた ウラン235に対するウラン236の同位体比はペルム紀末の大量絶滅発生時にあたる地層において減少し、トリウムで規格化したウランの値はその後低い値を示し続けることを示しました。この結果は、無酸素な海水の影響で還元されたウラン(同位体比が重いものが選択的に還元される)の量が大量絶滅期を挟んで6倍に増えたとすれば当時の海水中に溶存するウランの同意対比がおよそ2.8パーミルの幅で現象することの説明がつくとしています。その後ウラン同位体比は低い値を示し続け、トリウムで規格化したウランの量比が少ない値を示し続けていますが、この記録は、無酸素海洋の発達がすくなくとも4ー5万年は続き、その間ウランが海水から海底に除去され続けたことを示すと彼らは説明しています。しかし、今回彼らが検討した地層セクションでは絶滅境界付近には厳密には地層の欠如があり、大量絶滅とウランの大量還元・沈殿をもたらした無酸素海洋の前後関係を議論するには難があるかもしれません。この論文の終わりには、他の同時代の地層でもこの分析手法をテストするべきだと述べています。
 微量元素の同位体比を用いて、無酸素海洋の発達規模をこれまでよりも具体的に何倍に増えたと議論できるようになってきたのは進歩だと思います。
[PR]
by stakahashi17 | 2011-11-22 02:30 | 論文紹介