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シベリア洪水玄武岩は単独で大量絶滅の原因になりうるのか?

Linking mantle plumes, large igneous provinces and
environmental catastrophes:  Sobolev et al., Nature.

シベリアの台地には100万Km2以上の広大な面積をもつ玄武岩が分布しており、シベリア洪水玄武岩と呼ばれています。このような広大な範囲に渡り火成岩が分布している地域およびそれを生成した火山活動のことを巨大火成岩岩石区(きょだいかいせいがんがんせきく、Large igneous provinces, LIPs)呼びます。地球史のなかでは、そのようなLIPが形成された時期が数回あり、シベリアの洪水玄武岩はペルム紀末の大量絶滅の起きた時期と重なり、それらの因果関係が議論されています。

 主にロシアの研究者で構成されたSobolev らの研究グループは、このシベリア洪水玄武岩の化学組成と、モデリングを行いました。彼らの手法を使えば、玄武岩中のカンラン石の元素組成(NiO, FeO/MnO)からは、プルーム中には10−20重量%の海洋クラスとが含まれていたことが推定でき、Gd/Ybの微量成分のデータなどからはこの溶岩は輝石が多く、大陸地殻も含まれていることが分かりました。

これらのデータをもとに, プリュームの上昇開始から約300万年間の数値モデルを計算すると、二酸化炭素は最大で150×10^12t(150テラトン!)、塩酸は18テラトンの量が脱ガス放出される計算になるそうです。従って、彼らは、自らのデータで明らかにした化学組成の玄武岩が上昇することによって、当時の生物の大半を死に至らしめる原因をつくることができたと結論づけているのです。
by stakahashi17 | 2011-09-21 22:38 | 論文紹介